9月27日午後、ハノイのタンロン皇城遺跡センターで、ダナン市人民委員会のグエン・ティ・アイン・ティ(Nguyễn Thị Anh Thi)副主席は、ユネスコ世界遺産センターのラザール・エルンドゥ・アソモ(Lazare Eloundou Assomo)所長と会談を行いました。会談には、五行山地区の代表者も出席しました。
会談の場でグエン・ティ・アイン・ティ副主席は、ダナン市は長期的な発展戦略の中で、文化・自然遺産の価値を守り、保存していく責任を果たしながら、経済・社会の発展を目指していく方針を強調しました。その方針に基づき、ダナン市は「五行山文化・景勝地群」をユネスコの世界複合遺産として登録するための推薦書を作成し、ユネスコに提出することを目指しています。

五行山について意見を交わすダナン市人民委員会の副主席とユネスコ世界遺産センター所長
ダナン市人民委員会副主席は、五行山の景勝地が2018年にベトナム政府首相によって「特別国家遺跡」に指定され、2023年にはその保存・修復・復元に関する総合計画が承認されたことを説明しました。
2024年文化遺産法、1972年の世界遺産条約および同条約の履行指針に基づき、ダナン市は文化スポーツ観光省と連携し、五行山が持つ「顕著な普遍的価値(OUV)」6項目を明確化し、その保護に向けた取り組みを進めています。6項目の内訳は、文化的価値4項目、自然的価値2項目です。
ダナン市は、五行山には文化の交流や融合を示す顕著な価値があることを主張。また、サーフイン文化、チャンパ、ダイ・ベトの人々の居住や信仰の痕跡が残されており、遺跡・考古資料、ノンヌオックの石彫工芸、さらに石や洞窟などに刻まれた碑文群「摩崖(マニャイ)」は、歴史、文学、宗教、言語、文化的記憶の面で特に高い価値を持っていることもアピールしました。
特に、五行山の岩壁や洞窟に刻まれた漢字・チュノムによる78点の碑文は、2022年にユネスコの「アジア太平洋地域の世界の記憶」に登録された実績もあります。また、五行山は、仏教、道教、儒教、そして母神信仰が交わる文化空間でもあり、地域住民による信仰行事や祭りを通じて、こうした文化が受け継がれています。
自然面では、五行山は海岸沿いの砂丘地帯に位置する6つの大理石の山々からなる山群で、コ・コー川や海、自然洞窟群とつながっています。また、地質・地形の面でも価値があり、第四紀におけるカルスト化の過程や海岸線の変化を示す特徴が見られます。

ダナン市は五行山の世界複合遺産登録に向けてユネスコに支援を要請した
ダナン市は、世界複合遺産登録に向けた推薦書の作成を3段階で進める方針を示しています。
まず、推薦概要書の案を完成させ、文化スポーツ観光省に提出。その後、同省を通じてベトナム政府首相に申請し、世界遺産センターへの書類提出の承認を得たうえで、五行山を世界遺産暫定一覧表(Tentative List)に登録することを目指します。
次の段階では、市が主体となって初期協議プロセスに参加し、予備評価を実施します。その結果を踏まえて、正式な推薦書(科学的資料)と総合管理計画を完成させ、世界遺産委員会による審査に提出します。
グエン・ティ・アイン・ティ副主席は会談で、ダナン市が「顕著な普遍的価値(OUV)」の根拠を明確にするため、ユネスコ世界遺産センターおよび国際的な専門機関から支援を受けたいと要請しました。具体的には、カルスト地形、考古学、世界の記憶(世界記憶遺産)などの分野における国際的な専門家との連携、世界的な比較分析の進め方に関する助言、さらに遺産影響評価(HIA)ツールの活用に向けた技術支援を求めています。
こういった働きかけを通し、ダナン市は、国際基準を満たす推薦書を作成するとともに、遺産の完全性を保全するという要件と、現代的な観光都市としての経済・社会発展との両立を目指しています。
ダナン市ポータルより







