4月末の連休の頃、ホイアン周辺は稲穂がちょうど黄金色に実る季節を迎え、静けさとにぎわいがほどよく重なり合う、最も美しい表情を見せてくれます。そこには心の奥にやさしく触れるような、満ち足りた時間が広がっています。


時を重ねた路地が連なるホイアンの街では、ゆったりとした静かな時間が流れています。その落ち着いた空気は旧市街の中だけにとどまらず、郊外の田園風景へもゆるやかにつながっています。
旧市街から一本外の道へ、苔むした屋根の町並みを離れると、視界は一気に開けます。黄金色に実った稲が地平線の先まで広がり、新しい藁の香りが風に乗って漂う中で、農家の人々の暮らしが素朴に、そして確かに感じられます。


ホイアンは古い瓦屋根や、歴史の記憶を感じさせる黄色い街並みだけが魅力ではありません。そこには、素朴でありながら心を引きつける田園の風景が広がり、季節ごとに異なる表情を見せてくれます。
芽吹いたばかりのやわらかな緑が広がる時期もあれば、収穫の季節には、あたり一面が黄金色に輝きます。ハイバーチュン通り沿いの田園や、チャークエ、アンミー、タンドンの水田、さらにカムタインやチエムタイ、チャーニエウへと続く田んぼの景色は、まるで幾重にも重なる記憶のように目の前に広がります。そこでは、農業の営みが今も変わらず静かに受け継がれています。


稲が黄金色に実る季節の田園では、すべての動きがゆったりと感じられ、どこか心に響くものがあります。刈り取られた稲が束ねられて並ぶ風景や、収穫の合間に聞こえる農家の人々の笑い声、そして収穫を終えた田んぼをのんびりと歩く牛の姿。そうした一つひとつが、素朴でありながら生き生きとした農村の情景を描き出します。
田んぼの中を歩きながら景色を眺めていると、そこに流れる暮らしのリズムが自然と伝わってきます。人と土地、そして季節が、ささやかな営みの中で静かにつながっている。そんな感覚を得られるでしょう。


連休のタイミングは、黄金色に染まるホイアンの田園風景を楽しむのに最もよい季節です。新しい藁の香りがほのかに漂い、やわらかな陽ざしが田んぼ一面に広がって、あたたかみのある穏やかな景色をつくり出します。
田んぼの間を縫うように続く小道を進めば、喧騒から少し離れた静かな空間へと導かれます。そこには急ぐ気配も騒がしい音も少なく、ゆったりとした時間と自然の気配が静かに広がっています。

こうした田園での体験は、より特別なものとして感じられるでしょう。早朝から地元の人々とともに畑へ出て、収穫の様子を見学したり、実際に稲刈りや藁干し、脱穀、米麺づくりなどに参加したり。何気ない作業も、自分の手で体験することで、その大変さや面白さをリアルに感じられるのです。手に取った一粒一粒の重みを感じながら、農作業の流れに身をゆだねる。その体験を通して、人と大地、そして季節がつながっていることに改めて気付かされるでしょう。そうした感覚は、現代ではなかなか出会うことの少ない、素朴で本質的なものかもしれません。



そんな田園の中には、Chillax Eatery & Hangout、Lò Gạch Cũ、Roving Chillhouse、Xóm Chiêuといった心地よくひと息つけるカフェが点在しています。田んぼに囲まれた席に座り、風の音に耳を傾け、揺れる稲の波を眺めていると、静けさは“何もない状態”ではなく、やわらかく満ちてくるような感覚だと気づかされます。朝の瞑想や、午後のサイクリング、あるいはただ静かに座って深く呼吸する時間。そうした体験の積み重ねが、心と体のバランスを整えてくれます。



食の体験もまた、ホイアンの旅の中で大切な要素の一つ。田園エリアでは、その日に収穫されたばかりの食材を使った食事を楽しむことができます。素朴な郷土料理から、いわゆるファーム・トゥ・テーブルのスタイルまで、一つひとつの味わいにこの土地の背景が自然と重なります。
食べるという行為は単に味を楽しむだけでなく、土地や人の営みを感じる時間でもあります。食を通じて、季節の移ろいや収穫の物語が、一皿ごとに静かに伝わってくるでしょう。


どこまでも続く田園の静けさの中で、ホイアンは少し趣の異なる体験をもたらしてくれます。ここにはにぎやかさや華やかさはありませんが、心に深く残るような時間が流れています。立ち止まり、ゆっくりと呼吸を整え、いつもより丁寧に周囲を感じながら、自分自身と向き合うことができる場所。体の力がふっと抜け、気持ちが落ち着き、思考がすっと澄んでいく。そんな感覚の中で、旅は単なる移動ではなく、自分自身に立ち返る時間へと変わっていくでしょう。
黄金色に染まる季節のホイアンは、静けさに触れ、心のバランスを取り戻すための場所です。
ダナン観光促進センター