ダナン・チャム彫刻博物館は2026年7月24日16時より、ラムドン省博物館と共同で、企画展「ラムドン省に息づくチャンパ文化の足跡」を開催します。本展では、ラムドン省博物館が収蔵・研究する出土品や写真、学術資料を通して、ラムドン省におけるチャンパ文化の貴重な価値を広く紹介します。
本展では、約30点の展示資料と100点の写真を通じて、「ラムドン省におけるチャンパ建築・彫刻遺産」と「ラムドン省に暮らすチャム族の文化と信仰」の二つのテーマを紹介します。来場者は、ベトナム中部から中部高原地域へと広がる文化圏の中で育まれてきたチャンパ文化の価値に、視覚的かつわかりやすく触れることができます。

ラムドン省に残るチャンパ建築・彫刻遺産
ラムドン省は、多くのチャム族が暮らす地域であるとともに、貴重なチャンパ建築・彫刻遺産が数多く残る地域でもあります。2025年に行われた行政区画の再編により、かつてビントゥアン省に属していたチャム族の伝統的な居住地がラムドン省の行政区域に組み込まれました。その結果、現在ラムドン省内には4万3,300人を超えるチャム族が暮らす、豊かなチャンパ文化圏が形成されています。
本企画展の屋外展示エリアでは、省指定・国指定を含む9か所のチャンパ建築遺跡を紹介します。代表的な遺跡として、ポー・サー・イヌ塔群やポー・ダム塔をはじめ、バーニー派イスラム教のモスク、寺院跡、さらには主要な考古学的発見などを展示。来場者はこれらを通して、チャンパ建築の成立と発展の過程をはじめ、高度な建築技術やチャンパの人々が育んだ優れた美意識について理解を深めることができます。
さらに、本展では、ラムドン省博物館が所蔵する貴重な資料を通して、チャンパ彫刻芸術の優れた魅力も紹介します。なかでもチャム王族の遺産コレクションは見どころの一つで、精巧な技法で作られたチャム王と王妃の金製の王冠が展示されます。また、ポー・ダム塔から出土した金製リンガと、バックビンで発見された観音菩薩像という2点の国宝も紹介されます。これらの貴重な文化財は、チャンパ王国における高度な彫刻技術や金工技術、そしてベトナムの歴史の中で育まれたチャンパ文化の卓越した芸術的価値を今に伝えています。

ラムドン省におけるチャム族の文化と信仰
ラムドン省では、貴重な遺跡や文化財が受け継がれているだけでなく、チャム族の人々が今日まで、信仰や風習、伝統工芸など、多彩な伝統文化を大切に守り続けています。
本展では、写真や各種資料を通して、チャム・バラモン(Ahiér)とチャム・バニ(Awal)という二つのコミュニティの暮らしを紹介。同じ文化的ルーツを持ちながら、それぞれ異なる信仰を育んできた両者の生活文化を、わかりやすく展示します。チャム族は、在来の信仰や万物に霊が宿るという世界観を基盤に、神々への信仰、女神信仰、祖先崇拝をはじめとする多様な宗教文化を築いてきました。また、クト(Kut)と呼ばれる祖先供養のための石碑建立の風習や、石への信仰、豊穣の象徴への信仰、さらに各宗教の伝統に基づく祖先祭祀など、チャム族ならではの特色ある文化や儀礼についても紹介します。
このほかにも、成人儀礼、結婚式、葬儀、火葬、クト(Kut)への納骨儀礼といった人生の節目に行われる儀礼や、カテ(Katê)、ラマーワン(Ramâwan)、リジャ・ナガール(Rija Nâgar)などの伝統的な祭礼を紹介。これらを通して、世代を超えて受け継がれてきたチャム族の豊かな精神文化と独自の文化的アイデンティティを知ることができます。また、展示された写真や資料からは、母系社会の家族制度や村落共同体(palei)、そして祖先信仰がチャム族の暮らしの中で果たしてきた重要な役割についても理解を深めることができます。
精神文化とともに、チャム族は伝統工芸でも広く知られています。時代の変化とともに姿を消した技術もある一方で、織物や陶芸は現在も地域の人々によって大切に受け継がれ、現代社会の中で伝統文化を守り継ぐ重要な役割を果たしています。
本展を通して、ダナン・チャム彫刻博物館とラムドン省博物館は、ラムドン省におけるチャンパ文化遺産の全体像を広く紹介するとともに、チャンパ文化がベトナム中部から中部高原地域へと広がるチャンパ文化圏を構成する重要な文化であることを発信します。
また、本展は、チャンパ文化遺産が持つ歴史・文化・芸術的価値への理解を深め、その魅力を現代社会へと継承するとともに、持続可能な観光と連携した文化遺産の保存・活用を推進することを目的としています。
【企画展概要】
- 開催日時:2026年7月24日(金)16:00〜
- 会期:2026年7月24日~8月24日
- 会場:ダナン・チャム彫刻博物館
ダナン観光促進センター







