近年、ベトナム中部沿岸に位置するダナンはベトナム国内外の映像制作において注目すべきダイナミックな撮影地として認識されつつあります。
近年、ベトナム中部沿岸に位置するダナンはベトナム国内外の映像制作において注目すべきダイナミックな撮影地として認識されつつあります。
白い砂浜やそびえ立つ山々、ランドマークとしての多彩な建造物など、特徴的なその景観は、映像制作者にとって理想的かつ希少なロケーションとなっています。海、川、山が共存する地理的な特徴は他にはない魅力であり、製作者のクリエイティブなインスピレーションをかき立てます。
近年、さまざまな作品がダナンで撮影されており、世界に向けて街の美しさを発信し、街のイメージ向上効果をもたらしています。たとえば、韓国映画『猟奇的な彼女』のベトナム版リメイク『Love You Regardless』(2018年)は、絵のように美しい映像で、ダナンの“夢のようにロマンチックな”雰囲気を見事に表現しました。また、ハリウッドのアクション映画『マーベラス』(2021年)では、主人公がダナン出身という設定で、ドラゴンブリッジやダナン国際空港といった名所の映像を通して街の魅力が前面にアピールされていました。こうした作品が商業的に成功することで、ロケ地としてのダナンのポテンシャルは観客に再認識されることとなりました。
人気ドラマや映画の中で馴染みのあるダナンの風景が登場するのを見たベトナムの人々は誇りを感じています。たとえば『復讐代行人~模範タクシー2~』(2023年)の予告編では、ハン川沿いの美しい建物やドラゴンブリッジが印象的に映し出されました。さらに、Netflixがベトナムで初めて制作した映画『A Tourist’s Guide to Love』(2023年)では、風光明媚なビーチから歴史的建築物に至るまで、多くのシーンがダナンを中心に撮影されており、観る人にベトナムの美しさとその文化や風景をリアルに伝えています。
また、タイ映画『Heartbeats』(2020年)もダナンを主要な舞台とし、サンワールド・バナヒルズの幻想的な世界をロマンティックなストーリーに組み込んでいます。これらの作品は、視覚的に魅力あふれる映像を求める映画制作者たちがダナンの価値を再評価していることを物語っており、ダナンが映画業界における有望なロケ地としての地位を着実に高めていることを示しています。
映画の魅力を高めるダナンの象徴的な風景とロケーション
自然の恵みと人間の創造力によって形づくられたダナンは、映画的ストーリーテリングの無限の可能性を体現する都市です。中でも注目すべきスポットは次の通りです。
ドラゴン橋:ハン川にかかる壮麗な鉄橋は、李朝の龍のシンボルに着想を得て建設され、夜にはきらめく光で輝きを放ちます。交通の要所であると同時に観光スポットとしても知られ、街全体を描くパノラマシーンにもよく登場します。週末にはドラゴンの口から炎と水が噴き出す演出が行われ、ダイナミックな夜景の撮影に最適な視覚効果を生み出します。
ダナン博物館:バクダン通り42番地に位置し、フランス統治時代の旧市庁舎を美しく修復した建物内に新設された博物館です。クラシックとモダンが融合した建築様式で、中部ベトナムでもっとも美しい博物館として称賛されています。8,600㎡の展示スペースには、ダナンの歴史や文化が収められ、ドキュメンタリーや昔の時代を描いたノスタルジックなシーンに最適な背景となります。
五行山(マーブルマウンテン/Ngu Hanh Son):海沿いに並ぶ5つの大理石と石灰岩の丘からなる神聖な景観は、川と山、そして神秘的な洞窟が融合する「南の天界」のような雰囲気を漂わせています。水山(Thuy Son)、木山(Moc Son)、火山(Hoa Son)などの山々には、リンウン寺やフエンホン洞窟といった古刹があり、歴史・精神性・冒険的要素を求める作品に最適です。特に水山の頂上から見渡すダナンの街と海の景色は、壮大なストーリーテリングにふさわしいインスピレーションを与えてくれます。
サンワールド・バーナーヒルズ:海抜1,487メートルの山頂に広がるリゾートコンプレックスで、「現実世界のファンタジーランド」とも称されます。年間を通して安定した気温と、19世紀ヨーロッパ風の美しい「フレンチヴィレッジ」、そして巨大な石の手が支える象徴的な「ゴールデンブリッジ」が魅力です。幻想的・ファンタジー・ロマンチックな“雲の上”のシーンの舞台として最適なロケーションであり、世界記録を持つロープウェイから空撮する景観も圧巻です。
ホアバック:ダナン北西部の郊外に位置する、穏やかなクデ川が田園と山々の間を流れる静かな地区です。ホアバン地区に属するのどかな風景が広がり、都市の喧騒とは対照的な癒しの場です。映画制作者にとっては、牧歌的で叙情的なシーンの撮影にぴったりの絵葉書のような田園風景を提供してくれます。
ソンチャ半島:「ダナンの緑の肺」として知られるソンチャ半島は、ベトナムで唯一の沿岸性原生林を有する自然の宝庫です。市中心部からわずか10kmの距離にありながら、海抜約700メートルの山々からは、街、ティエンサ港、山々、海が一望できます。バンコー峠やインドシナ・アイ(旧レーダー基地)などからは壮大なパノラマが広がり、映画のスケール感を引き立てるシーンに最適です。また、絶滅危惧種で「霊長類の女王」とも称されるアカアシドゥクラングールの生息地でもあり、自然ドキュメンタリーにも最適な場所です。夜明けや夕暮れなど、海と森のコントラストが物語性豊かな映像を生み出します。
ダナンのビーチ:30km以上にも及ぶ美しい海岸線を誇るダナンには、世界有数の魅惑的なビーチが点在しています。フォーブス誌が世界で最も美しい6つのビーチの一つに挙げたミーケービーチは、柔らかな白い砂浜、温かく澄んだ海、そして風に揺れるヤシの木々が、ロマンス、スポーツ、リゾートをテーマにした映画などに理想的なトロピカルなシーンを作り出します。活気あふれるミーケービーチに加え、スアン・ティエウ(Xuan Thieu)、ナムオー(Nam O)、ノン・ヌオック(Non Nuoc)といった静かで手つかずのビーチも穏やかで夢のような空間を提供します。海は地元の誇りであり、あらゆる映画制作に豊かな彩りを添えてくれるでしょう。
国際的な映画拠点へと進化するポテンシャル
ダナンの多様で豊かな自然景観はあらゆるジャンルの映像制作に適したロケーションとして、他に類を見ない魅力を備えています。ダナンは手つかずの自然の美しさと最先端の都市インフラが見事に融合しており、すでに複数のプロフェッショナルな撮影クルーを惹きつけ、業界内で関心を集め続けています。
将来的には、文化と景観が調和した持続可能な観光戦略を明確に掲げるダナンが、東南アジアにおける“屋外スタジオ都市”として地域をリードしていくことが期待されています。ダナンの自然遺産や建築的ランドマークのひとつひとつが、映画にふさわしい魅力的なストーリーを語っており、スクリーンでの表現に最適です。地元行政も撮影プロジェクトの誘致と支援体制の整備に力を入れており、今後さらに多くの映画関係者が、次回作のロケ地としてダナンを選ぶことは間違いないでしょう。こうした公的な支援は映画産業においてダナンの魅力をさらに高める追い風となっています。
DANANG CENTER FOR TOURISM PROMOTION