ホイアンは、幾世代にもわたって受け継がれてきた物語や記憶を感じられる土地です。苔むした瓦屋根、歴史を感じさせる古い街並み、ホアイ川を進む舟の櫂の音、そして伝統工芸の村に響く職人の槌音。そこで継承されてきた文化遺産は、単なる過去の記憶として残されているのではなく、現代の人々の暮らしの中にも生き生きと息づいています。
幾世代にもわたって守り続けられてきたこうした価値は、尽きることのないインスピレーションとなり、地域の人々の創造性を育んできました。そして今日でも、一つひとつの製品やアイデア、体験の中に、ホイアンならではの文化の息吹が感じ取れるのです。

こうした文化の源流を受け継ぎ、2026年の「ホイアン・クリエイティブウィーク」は、「文化遺産、そして創造に触れる旅」をテーマに開催されます。本イベントは、伝統とイノベーションが出会う場として、文化遺産を創造の源とし、創造性によって遺産の価値をさらに豊かにしていくことを目指します。そして、文化と人々の未来に向けた持続可能な発展の新たな可能性を切り拓く原動力となることが期待されています。
ホイアン・クリエイティブウィーク2026は、2026年8月28日から9月2日まで、ホイアン旧市街で開催されます。本イベントは、ベトナム社会主義共和国の建国記念日(9月2日)81周年を記念して開催されるもので、ダナン市人民委員会が進める「ホイアン・ユネスコ創造都市(クラフト&フォークアート分野)」に関する2026~2027年の取り組みの主要事業の一つに位置付けられています。さらに、2030年を見据えた創造都市としての発展を目指す取り組みの一環でもあります。

イベント期間中、文化遺産や伝統工芸、民俗芸術を、デザイン、テクノロジー、教育、市場、現代のクリエイティブな取り組みと結びつけるさまざまなプログラムが、市内各地で幅広く開催されます。会場は、ホアイ川広場(住所:1 đường Cao Hồng Lãnh)、アンホイ彫刻公園(Nguyễn Phúc Chu通り)、ホイアン旧市街、ホイアン劇場をはじめ、市内の博物館、伝統工芸村、クリエイティブスペースなど多岐にわたります。これらのプログラムは、ホイアン、ホイアン東地区、ホイアン西地区、およびタンヒエップなどの各地域で展開されます。
本イベントはダナン市人民委員会の指導のもと、ダナン市文化スポーツ観光局が主催し、ハノイのユネスコ事務所、国連人間居住計画(UN-Habitat)ベトナム事務所をはじめ、関係各局・機関、地方自治体、企業、学校、職人、アーティスト、そしてホイアン内外のクリエイティブコミュニティが連携して実施します。
イベントの開幕式は、2026年8月28日19時30分から、ホアイ川広場で開催されます。開幕式では、ホイアンを代表する職人、アーティスト、クリエイティブコミュニティが紹介されるほか、「ホイアンのアート・クリエイティブスペースマップ」が発表される予定。また、伝統工芸村や民俗芸術、ホイアンに受け継がれてきた文化遺産と創造性の価値を物語る芸術プログラムも披露されます。
イベント期間中に開催される各種プログラム
イベント期間中、一般の来場者は以下のプログラムに参加できます。
ホアイ川広場で開催されるトークセッションシリーズ「Nghệ cả Làng」と研修プログラム「Làng nghề lên số」
「Nghệ cả Làng(クリエイティビティは村全体にあふれている)」プログラムでは専門家や地域の人々とともに、ホイアンにおける文化・クリエイティブ分野の発展に向けたさまざまな物語やアイデア、協働の可能性について語り合います。また、「Làng nghề lên số(伝統工芸村をデジタル化へ)」プログラムでは職人や職人村の若い世代を対象に、SNSでのコンテンツ運用、商品撮影の技術、ECプラットフォームでのショップ運営などに関する研修も行われます。これらは地域の手工芸品を効果的にPRし、域外の市場へ届けるために必要な知識とスキルを身につけることを目的としています。

「伝統に触れる」スペース
ホイアンの伝統工芸や工芸村を紹介するアート・インスタレーションが展開されるエリア。来場者は、さまざまな創作体験を通じて、伝統文化に実際に触れることができます。
「創造に触れる」スペース
地域のコミュニティや企業、若手クリエイターたちによるショップや体験型プログラムを展開します。ホイアンやダナン、さらにはベトナム各地の地域文化をインスピレーションに、さまざまな分野から生まれたプロダクトが紹介されます。
その他のコンテンツ
アートパフォーマンスや展示、伝統工芸のワークショップ、昔ながらの民俗遊びなど、さまざまなプログラムが展開されます。また、GPS、QRコード、AI(人工知能)などのテクノロジーを活用して文化遺産を巡る体験プログラムや、伝統工芸村やクリエイティブスペースをつなぐ体験型ツアーも実施され、市民や旅行者がホイアンの文化や創造性に触れられる機会を提供します。
「創造都市・ホイアン」の発展に向けた6つの重点施策を推進
「ホイアン・クリエイティブウィーク2026」は、「創造都市・ホイアン」の発展計画に掲げられた6つの重点施策を具体的に推進する取り組みとしての役割も担っています。
・取り組み①
広報活動や地域参加型のプログラムを通じて、文化遺産の保全・継承と、その価値をさらに高めていくうえで、創造性が果たす役割への理解を深めることに貢献します。
・取り組み②
トークセッションや研修プログラム、青少年を対象とした活動などを通じて、人材育成や次世代の担い手の育成、地域コミュニティの積極的な参加を促進します。
・取り組み③
ブース出展や展示、商品の紹介、パートナーとの交流・マッチングなどを通じて、地域の伝統工芸品の新たな商品開発や市場開拓、さらなる商品化を促進する機会を創出します。
・取り組み④
文化交流プログラムを通じて、ホイアンと国内外のアーティスト、専門家、企業、クリエイティブコミュニティとのネットワークを広げます。
・取り組み⑤
ホアイ川広場、ホイアン劇場、伝統工芸村、博物館、地域のコミュニティスペースなど、さまざまな場所を活用することで、市内各地におけるクリエイティブスペースの形成・活性化と、相互のネットワークづくりを促進します。
・取り組み⑥
「ホイアン・クリエイティブマップ」、QRコード、GPS、AI、各種デジタルプラットフォームを活用し、文化遺産の保全・PR・教育、さらにはクリエイティブな文化商品の市場開拓にもテクノロジーを取り入れていきます。
これらの取り組みは、広報、人材育成、商品開発、文化交流、クリエイティブスペース、デジタルトランスフォーメーション(DX)という6つの重点施策の方向性とも合致するものです。
ホイアン、あらゆる創造性が開かれたまちへ
「ホイアン・クリエイティブウィーク2026」は、地域コミュニティこそが創造の主体であり、主催者は人々をつなぎ、対話や新たな試み、協働の機会を生み出す役割を担うという考え方に基づいて企画されたイベントです。そのうえで、誰もが創造のプロセスに参加できる、開かれた創造の場をともにつくっていくことを目指しています。

本イベントをきっかけに、職人やアーティスト、学校、企業、社会団体、クリエイティブスペース、地域コミュニティなどが、関連イベントの開催やアイデアの共有、自らの活動拠点の一般公開を積極的に行うことが期待されています。
ホイアンは、工房や民家、博物館、店舗、コミュニティスペースなどそれぞれが、創造性に触れる場となり得る場所。そこに息づく職人の物語や受け継がれてきた技術、新たなアイデアの一つひとつが、ホイアンという都市の活力を形づくっています。ここでは、文化遺産が現代の暮らしの中で新たな形へと受け継がれ、日々の創造的な活動へと生かされているのです。
「ホイアン・クリエイティブウィーク2026」を通じて、ホイアンは国内外の創造的な人材や資源をつなぎ、地域コミュニティの力を高めるとともに、伝統工芸品の市場へのアクセスを広げ、市民や観光客により深みのある文化体験を提供することを目指しています。
ダナン観光促進センター







