毎年3月になると、ダナン西部の高原地域に向かう国道14G沿いにサンタンカ(rì rừng flowers)が咲き誇る様子を見ることができます。森の小道や小川沿い、観光地などに自生しており、特に有名な「花の小川」はクアン高原地方の春の風物詩として鮮やかな景色を生み出しています。
ホアフー村(ダナン市ホアヴァン地区)からバー村やトゥー村(クアンナム省ドンザン地区)にかけて、小川沿いに自生するサンタンカが開花すると、詩のように美しい風景を生み出します。
ダナンとクアンナムの高原に広がる森の小川や岩のそばで、一本あるいは数本まとまって自生するサンタンカは1年に一度だけ、3月から4月中旬にかけた季節に開花し、森の中に色の斑点を描き出します。その佇まいは控えめながら印象的で、周囲に広がる野生の荒々しさをやわらげ、自然の儚い美しさを見る人に思い出させてくれます。
小川に延びる木の枝には左右対称に生えた葉が茂り、天蓋を作り出します。樹冠には鮮やかな色をした数千の小さな花が房状になって咲き、手つかずの森を背景にした木全体を見ると、まるでひとつの大きな花束のようにも見えます。
国道14G沿いの主要な観光地でも満開となったサンタンカを見ることができます。花の季節にコトゥ族のトゥムサラ村(ホアヴァン地区ホアフー村フートゥク)を訪れると、詩的に美しい風景を見ることができます。
ベトナム語では「森の花(hoa trang rừng)」、「水の花(hoa trang nước)」などとも呼ばれるサンタンカ(rì rừng)はアカネ科に属しています。シーズンになると、花弁は黄金色やオレンジ、燃えるような赤など鮮やかな色を帯び、ほのかな芳りを放つようになります。
コトゥ族にとって、サンタンカ(rì rừng)は美しさの象徴であり、文化的なアイデンティティから切り離すことができないもののひとつです。織物に用いられる伝統的なモチーフであり、村の祭りや文化的な儀式を美しく飾る様子を見ると、コトゥ族の人々とこの花との深い繋がりを感じることができます。
サンタンカが森の川沿いで咲き誇ると「花の小川」のような美しい光景を描き出し、その様子は春を迎えた高原のイメージとしても知られています。花の咲く様子はダナン以外にも、Tà Má川(ビンディン省ヴィンタイン地区)やヴァンホア高原(フーエン省ソンホア・トゥイアン地区)でも見ることができます。
満開のサンタンカはダナン西部のホアフーに広がる自然の美しい景観をさらに魅力的なものにしています。近郊からでも遠方からでも、自然の美しさを感じたい旅行者は訪れてみると良いでしょう。
DANANG CENTER FOR TOURISM PROMOTION
写真: @son_dx (Doan X. Son)