在ベトナムフランス大使館において、国際写真ビエンナーレ「Photo Hanoi ’25」の一環として初めて紹介された写真展「ベトナムの交差点」が、このたびダナン博物館でも開催されることが決まりました。開催期間は2026年4月17日〜5月17日。本展では、ダニエル・ルーセル、ジルベール・ベルトラン、リリー・フラネイという3人のフランス人写真家の作品が展示され、長年にわたり写真を通してベトナムと深く関わってきた彼らの視点が表現されています。
本展は、在ベトナムフランス文化院とダナン博物館の共催により実施されています。

ダニエル・ルーセル(Daniel Roussel)の写真は、1980年から1986年にかけてのベトナムの暮らしを捉えた貴重な視点を提示しています。フランスの新聞『リュマニテ(L’Humanité)』の特派員として滞在していた彼は、この地の日常の一瞬一瞬を、深い愛情と敬意をもって記録しました。そのまなざしには、ベトナムが歩んできた植民地主義や帝国主義との闘いの歴史への理解がにじんでいます。
彼の作品は、執筆活動やドキュメンタリー制作とあいまって、戦後のベトナムのたくましい生命力を伝える貴重な記録となっています。



本展では、ジルベール・ベルトラン(Gilbert Bertrand)によるモノクロ写真も展示されています。これらの作品は、彼がダラットおよびサイゴンのフランス文化センターに勤務していた1970年から1975年にかけて撮影されたものです。
ベルトランは写真家ではありませんでしたが、その鋭い感性と写真への強い情熱に突き動かされ、歴史の重要な転換点を記録しました。当時、これらの作品は公に発表されることはありませんでしたが、現在では写真としての価値と時代を超えた歴史的意義が高く評価され、ベトナムの歴史における特別な一章に光を当てる存在となっています。
展覧会の締めくくりを飾るのは、リリー・フラネイ(Lily Franey)による心に響く写真の数々です。これらの作品は、1987年以降、彼女がフランスの民衆救済団体「Secours populaire français」とともにベトナムを訪れた際に撮影されたものです。
彼女の写真は、戦争の傷跡から再生へと向かうベトナムの姿を日常の中に宿る静かな希望とともに描き出しています。深い人間性に根ざしたまなざしを通して、リリー・フラネイは作品に温もりと繊細さを込め、再建と変革の時代を生きる人々の意志と日々の営みを、ありのままに、そして生き生きと伝えています。
写真展「ベトナムの交差点」は、単なる展示ではなく、観る者に感じ、考え、そして記憶をたどることを促す呼びかけでもあります。一枚一枚の写真は歴史の断片のように、変化と試練を重ねてきたベトナムの歩みを静かに照らし出します。そうした個々の作品が一つの流れとなって展示されることで、本展は視覚的な展示の枠を超え、一つの民族が持つ不屈の精神と持続的な力強さを示す力強い証しとなっています。本展は、現代の日常においてあまり語られることのない歴史の一時代を、あらためて見つめ直す貴重な機会となるでしょう。
ダナン観光促進センター