ダナン市にあるディエンハイ城塞跡は、阮朝時代に建てられた軍事建造物です。フランスの植民地支配に対抗する防衛拠点として建設され、この地域を守る上で極めて重要な役割を果たしました。
ダナンは首都フエから約100kmに位置し、大型の船が出入りできる水深の深い港があるため、欧米の植民地勢力から狙われていました。これに対し、阮朝の皇帝は首都と国家主権を守るためにダナンに多くの防衛施設を建設しました。
1813年、嘉隆帝はディエンハイ要塞の建設を命じました。しかし、海岸に近い場所に建てられたことから浸食が続いたため、1823年に明命帝が高台に移築し、現在まで同じ場所にあります。
1834年にディエンハイ城塞と改名されたのち1847年には紹治帝によって再建され、ヨーロッパのヴォーバン建築を参考にした設計によってさらに堅牢な造りとなりました。城塞は四角く、各角が突出した形状をしていました。周囲は広くて深い堀に囲まれ、出入りのための橋が架けられていました。
東側と南側に2つの門があり、外周は556m、城壁の高さは5mを超え、堀の深さは3m以上ありました。城郭は堀で区切られた二層の城壁で構成され、外壁は内壁より高く、四隅が突出し壁の中央がややへこんだ形をしていました。
城塞内には、管理棟や監視塔、将官や兵士のための瓦屋根の木造家屋、武器や食料の貯蔵庫、鉄砲の鋳造や修理のための工房などが建てられていました。特筆すべきことに、城塞には約30の大砲が備えられていました。
ディエンハイ城塞は、ダナンを防衛する強力な要塞として機能してきました。特にフランス・スペイン連合軍による侵略計画を阻止するため、1858年から1860年にかけてのダナン市民とベトナム政府による抵抗運動においては極めて重要な役割を果たしました。
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