ハノイ、2025年6月3日-ベトナム映画振興協会(VFDA)はダナン市人民委員会と共同で記者会見を開き、第3回ダナン・アジア映画祭(DANAFFⅢ)の開催について発表しました。
より大規模に、より専門的に
過去2回開催の大成功、また2023年と2024年の文化イベントトップ10に選ばれた(スポーツ&カルチャー新聞による)ことを受け、DANAFF IIIは今年も2025年6月29日から7月5日までダナン市で開催されます。今年は開催規模、期間、プログラムの多様性において大幅にスケールアップし、公式開催期間は例年の5日ではなく7日間にわたります。映画祭がスケールアップしたことで、参加者にはこれまで以上に刺激的で豊かな体験が提供されることになります。今年の映画祭には、第1回DANAFFの46本、第2回DANAFFの63本と比べて大幅増となる100本超の作品が参加しており、上映回数も昨年の100回の2倍となる合計200回が予定されています。より幅広い層の好みに合う多様な作品が上映されることになり、DANAFF IIIはすべての映画愛好家にとって必見のイベントであるといえるでしょう。
今年の映画祭では、プログラムに新たなハイライトが加わります。特に注目すべきは初設定された「アジア映画パノラマ」部門で、過去1年間に主要な国際映画祭で高い評価を得たアジア映画作品と、DANAFFでのプレミア上映作品が特集されます。また、「アジア映画パノラマ」部門には「アジア映画批評家賞」が新設されます。
DANAFF TALENTS - 将来有望な若手映画製作者の育成
DANAFF Talentsは、ワークショップ、研究会、メンタリングなどさまざまな機会を通じて若き才能の育成に主眼を置いたプログラムのプラットフォームです。主なプログラムには、「演技指導ワークショップ」、「プロジェクトマーケット」、そして専門マスタークラスがあり、若い才能が学び、交流し、国内外の業界関係者とのコネクションやプロフェッショナルな環境へのアクセスキーを提供しています。
DANAFF Talentsの主要プロジェクトとして初開催される「プロジェクトマーケット」は特に注目されています。このプロジェクトでは主要部門としてアジアのアートハウス系映画とベトナム映画(全ジャンル)の2つが設定されています。
初開催にもかかわらず、プロジェクトマーケットは国内外の映画制作者から大きな関心を集めており、DANAFFが地域の映画産業における創造的かつ協働的なハブとして評価されていることを示したとも言えます。多数の応募の中から組織委員会によって厳選された14のプロジェクトが本プログラムにおいて取り扱われます。
プログラムは4日間開催され、ピッチ・セッションと業界の著名人による丁寧なメンタリング・ワークショップで構成されています。ファシリテーターとして参加する専門家は、カンヌ国際映画祭映画部門ディレクター兼副総代表のクリスチャン・ジュヌ氏、映画『破墓/パミョ』プロデューサーのキム・ミニョン氏、王小帥監督による映画「青紅(シャンハイ・ドリームズ)』(2005年カンヌ映画祭審査員賞)・『僕は11歳』・『マルリナの明日』(2017年カンヌ映画祭監督週間)などの作品で知られるプロデューサーのイザベル・グラシャン氏、映画『バイオハザード』や『サイレントヒル』など世界的なヒット作を配給したレオナルド・ハッダッド氏です。
プロジェクトマーケットは映画基金の支援も受けており、ベトナム映画の企画初期段階に重要なリソースを提供しています。アジア・アートハウス部門の最優秀プロジェクトには、CNC(フランス国立映画センター)から8,000ユーロの助成金が授与されるほか、東南アジアの映画インキュベーターであるmylabから3ヶ月間の集中的な企画開発支援が提供されます。また、ベトナム映画部門の最優秀プロジェクトには、モーション・ピクチャー・アソシエーション(MPA)から5,000ドルの賞金が授与されます。
演技指導ワークショップでは昨年同様、Autumn Meetingの協力により基礎と上級の2レベルによるトレーニングクラスが開催され、全国から才能ある若手俳優たちが集まります。3回目の開催となる今回、基礎クラスは韓国の著名な講師リディア・パーク氏が、上級クラスは舞台演劇で国際的に高い評価を得ている日本人演出家の多田淳之介氏が指導にあたります。今年はベトナム、韓国、日本から50名が参加を予定しており、ジュリエット・バオ・ゴック(DANAFF 2023 最優秀女優賞受賞)、ゴック・スアン、ドー・ニャット・ホアン(『Once Upon A Love Story』)、トゥイ・ズオン(『Glorious Ashes』)、チャン・フォン(『Dreamy Eyes』)などの素晴らしい才能が揃います。今回のプログラムにダナンとベトナム中部からこれまでで最も多くの若手俳優が参加することは特筆すべきでしょう。
「ベトナム戦争映画の半世紀」ベトナム統一50周年記念
ベトナム統一50周年を記念し、「DANAFF III」のフラッグシップ・プログラムとしてベトナム戦争をテーマにした22本の傑作映画を上映します。ベトナム映画協会との協力により、1975年以降に制作され、国内外の映画祭で高い評価を得、ベトナムでも深く共感された映画を特集し、戦争というテーマを繊細に探求した映画を紹介します。
上映会では、戦争映画というジャンルに多大な貢献をしてきたさまざまな世代の有名監督や俳優との質疑応答やディスカッションも予定されており、鑑賞体験をさらに深めることができます。厳選された作品によって、過去50年間で戦争を扱った多様な映画の物語に光を当てるだけでなく、戦時中に制作された作品と比較する機会も提供します。
さらに、「統一後のベトナム戦争映画の遺産」と題した特別セミナーでは、ベトナム映画史という観点におけるこれらの映画の芸術的・歴史的意義を考察します。参加者にとって魅力的で啓発的な体験となることが期待されています。
韓国映画特集
DANAFF IIIでは「シネマ・スポットライト」プログラムとして韓国映画を特集します。このプログラムでは、数十年にわたる数々の困難を乗り越えて世界的な評価を獲得するまでに成長した韓国の映画産業を紹介します。駐ベトナム韓国文化院、韓国映画振興委員会(KOFIC)、韓国映像資料院(KOFA)の協力による企画で、1960年代から現在に至るまでの各時代を代表する映画14作品を上映します。
「韓国映画の足跡」という意義深いテーマで厳選された各作品は、韓国映画の芸術的革新性と文化的豊かさを強調しています。特に今回、国際的に高い評価を得る映画監督イム・グォンテク氏の傑作3本がベトナムの観客と海外からの参加者に紹介されます。
映画上映と併せて開催されるセミナー「韓国映画:国際的な成功と産業発展における経験からの教訓」では、作品研究と韓国映画産業の発展戦略について集中的でオープンな議論の機会を提供します。国内外機関の研究者、映画スタジオ、配給会社、上映会社、映画祭主催者、そして韓国映画関連の学術プログラム関係者などが集まって意見を交わし、韓国映画の創造性、運営、経営などから教訓を引き出すことを目指します。
1960年代から1970年代にかけてのベトナム映画と韓国映画には扱うテーマやスタイルにおいて共通点が見られますが、1990年代以降になると、韓国映画は世界的に目覚ましい発展を遂げました。セミナーでは地域の映画産業に関する貴重な教訓と実践的な考察の機会を提供し、業界内での理解を深め、協力体制を構築することを目的としています。
遺産を継承し、アジア映画を称える
DANAFF IIに引き続き、今年もその貢献によって映画芸術を大きく発展させたアジア人映画監督を生涯功労賞に表彰します。
DANAFF IIIでは、次のイベントが予定されています。
– 開会式と閉会式(VTVで生中継)
– 公式コンペティション(アジア映画部門14作品、ベトナム映画部門12作品)
– 新作ベトナム映画18作品を特集した「ベトナム映画トゥデイ」プログラム
DANAFF IIIはその範囲を大きく拡大し、プロフェッショナリズムと創造性を追求しています。観客に多くの魅力的な作品を紹介するとともに、業界内での対話と協働が促進することを重視しています。特に、アジアの次世代の映画製作者の育成を通じて地域の映画産業を成長させ、持続可能なクリエイティブコミュニティが形成されることを支援しています。
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